今日は、肺炎球菌感染症と肺炎球菌ワクチンについて解説します。 肺炎球菌は小児の上気道 (鼻腔)の常在菌の1つで、小児の20~40%の割合で鼻咽腔より検出されます。肺炎球菌の多くは下図のように莢膜を有しており、それが病原性の主体になります。莢膜型は血清型ともよばれ95種類以上に分類されます。 中耳炎, 副鼻腔炎, 気管支炎, 肺炎の主要な原因菌となっております。まれに、髄膜炎, 菌血症, 関節炎など、髄液や血液など無菌部位より細菌が分離される、侵襲性感染症(invasive pneumococcal disease; IPD) と呼ばれる、重症感染症を引き起こします。 このIPDは2歳以下の乳幼…