2021年が始まったが、気にせずに2020年12月に拝見した舞台の感想を記す。 (左)銀座マロニエ通り/観世能楽堂 ■2020年12月22日(火)第30回久習會のこと @国立能楽堂「春栄」他 久習會はシテ方観世流の橋岡會の門下生による公演である。能「和布刈」狂言「塗附」能「春栄」とたっぷり4時間弱の公演、そこには本来出演しているべき能楽師の姿がなかった。 中央官庁の公務員から能楽師へと異例の転身を遂げた女性の、宮内美樹さんである。公演直前の11月20日に49歳の若さで亡くなられた。闘病中であった癌が悪化したとのことである。能楽の講座で多くのことを教えていただいたし、舞台を拝見する機会もあったし…