ぱえリヤは道具屋のひとり娘だ。 手塩にかけて育てたんだ。「どこに出してもはずかしくはないぞわはは」と、口が裂けるほど大口を広げて笑う父は、やはり本当にそのときが来たらすごくさみしがると思うし、誰にもみえないところで肩を落として泣くのだろう。 ぱえリヤも齢十八を数える。 今はまだ、お父さんががんばって立ち上げた道具屋をあたしが継ぐんだ!と息巻いている。 しかしきっと、娘にいい人があらわれたら、そのときには心を決めねばならんのだろうな そう、父が朝から遠い目をしているのを知ってか知らずか。 その道具屋のひとり娘、ぱえリヤは朝の喧噪をいつもより晴れやかな気持ちで眺めた。 にわとりが鳴き、小鳥がさえず…