病気 病名
開頭術や脳室シャント術、腰椎穿刺後の脳脊髄液漏出による激しい頭痛を特徴とする低髄液圧症候群については、以前から神経内科、脳外科、麻酔科などの医師の間では認知され、腰椎穿刺後の起立性頭痛に対する硬膜外腔自家血注入療法(epidural blood patch;EBP)の有効性も知られていた。一方、比較的軽微な交通事故やスポーツ外傷を契機とする頑固で慢性的な頭痛やその他の多彩な症状については、心理的なものとされ、看過されることも少なくなかった。近年、これらの症例が低髄液圧症候群と同様か類似の機序による病態との認識のもとにEBPが行われ、著明な症状改善が得られることが報告された。ところが、その後、こうした症例では脳脊髄液漏出が認められても髄液圧はむしろ正常な例が多いことから、低髄液圧症候群とは区別して脳脊髄液減少症と捉えるべきことが提唱された。昨年、脳神経外科、整形外科、麻酔科などの医師を中心に低髄液圧症候群研究会が開かれたが、このような事情から名称を脳脊髄液減少症研究会と改めた。
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