確固たる自分。そういった自己に対する幻想。人間はそのようなひとつの統合された自分を期待する。人間とは、そういう生き物。 自己同一性。自分自身は過去も今も未来も、一貫した自分自身を持っている。そのような同一性を持つ自分を期待している。同一なのかどうかは分からないけど、そのように自ら言い聞かせ、記憶付けをし、それで安心した気分になる。 裏を返せば、自分自身が無根拠に自己同一な自分であると確信を持てないという事実がある。常に、自分自身がそういう人間なんだと言い聞かせてあげる事でそう思える自分がいる。 その意味では、統合されない、常に分散している自分がいるわけです。常に頼りなく、安定した自己とはかけ離…