起:問いの出発点──見えないものをどう捉えるか 「いのち」や「こころ」という言葉は、私たちの日常に溶け込んでいる。 しかし、それらの本質に立ち止まって思いを巡らすことは、そう多くない。 目に見えず、手に取ることもできないそれらは、科学の光をもってしてもなお、完全には照らし出せない。 「いのちとは何か」「こころはどこにあるのか」――こうした問いは、時代を超えて私たちの前に立ち現れ、思索を促す。 見えないものをどう捉えるか。 それは、哲学の原点であり、人間の知の限界を問い直す営みでもある。 哲学者カントは、こうした問いに対して独自の視点を提示しました。彼は『純粋理性批判』において、「神」「自由」「…