今回から第一部に入ります。今日の内容は第一部の序で、金井先生が個人指導の場で捉えた現代の私たちの問題、それが科学的な見方とどのような関連があるかについて述べ、そこから一部の主題をまとめています。 現代では、社会的に求められる自我のあり方として「客観性」が重要視されるようになり、社会的適応のため、主観的感情を排した教育が行われるようになりました。その影響で、親子の間でも感情を交えた心のやり取り、対話が難しくなってきています。 家族間で笑いあったり、楽しさを共有したりということはあっても、悲しみややり場のない怒り、辛さを訴えたり、分かち合い、見守ってもらうという経験がない人が増えていて、そういうも…