自由学園明日館は、東京・池袋の中心にありながら、時間が音を立てずに流れている別世界。 1921年(大正10年)、女子教育を志した羽仁吉一・もと子夫妻によって設立された自由学園の校舎として誕生し、現在は国の重要文化財に指定されている。 設計を手がけたのは、帝国ホテルなどを手がけた建築家フランク・ロイド・ライト。得意とした「プレーリーハウス(草原住宅)」の建築様式を取り入れ、低く抑えられた屋根や、リズムよく並ぶ縦長の窓が美しい調和を生んでいる。 1934年に自由学園は東京都東久留米市へ移転したが、明日館は卒業生たちに大切にされ、「明日館(みょうにちかん)」という名称で親しまれてきた。歴史の重さより…