毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。 1は赤い。そして世界は緑と青でできている。:望月菜南子 書評は須藤靖(東京大学教授・宇宙物理学)さん。 文字や数字に色がついて見える人がいる。20年ほど前に初めてそれを知ったときには本当に驚いた。これはある刺激に対して異なる種類の感覚が生じる共感覚の一種で、色字(しきじ)共感覚と呼ばれている。例えば黒の文字列で書かれたこの書評の文章も、共感覚者には文字ごとに異なる色がついて見え…