歌舞伎座昼の部を観劇。週末であったせいか、大入り満員。こんなに入っていたのは、團十郎襲名公演以来ではないだろうか。改めて亡き勘三郎へ熱い思いを抱いている見物衆が如何に多いかを思い知らされた。それだけに、その早世は惜しみても余りあるものであったと云う事だ。存命ならば来年は古希を迎える歳だ。円熟した素晴らしい芸を見せてくれていたであろうに・・・痛恨の極みとは正にこの事である。 幕開きは『新版歌祭文』から「野崎村」。あまり亡き勘三郎のイメージにはない狂言だが、生前に二度程勤めている様だ。そして何と十七代目も晩年に一度演じているらしい。当代では七之助と福助のイメージが強い狂言。今回は勘三郎三人目の倅と…