歳を追うにつれて共感力をどんどん失いつつある隠居も、時にどうしたのかと思うほどエモーショナルになってしまうことがある。フジテレビ「ザ・ノンフィクション」の『花子と先生の18年〜人生を変えた犬』を見ているときのこと、何度も声をあげて嗚咽しそうになる自分に驚き、俺ってそんなに犬好きだったっけと自問してしまった。 杉並区にある「ハナ動物病院」には、太田先生の愛犬・花子の名前がついている。保健所からやってきた花子がいなければ、大学に「犬部」というものを作ることもなく、この病院を開くこともなかった。まさに先生の ”人生を変えた”犬なのである。 獣医になって多くの犬を救うためには、手術の練習台になってくれ…