今日は、おいしいお餅のお話二題です。 花菫茶話 第五話「お餅の縁」 高校生のある日、何の用事だったか、品川へ行った。 用事を済ませ、帰ろうとしたが、小春日和、正月前なのにぽかぽかと暖かい。電車に乗るのが惜しくなった。品川から世田谷の経堂まで、直線距離なら大したこともない。ままよと、足の向くままテクテク歩き出した。 町は師走の賑わい、商店街も活気に満ちている。路地を通ればあちこちに山茶花の花。 幼稚園の前を通りかかった。子供たちのはしゃぐ声にお母さんたちの声が混じる。見れば、餅つきの真っ最中で、杵を手にしているのはお母さんたち。だが、こわごわとへっぴり腰で、こねる人との呼吸も合わない。 「早く搗…