紅苜蓿 <7> -啄木の歌に登場する花や木についての資料- 啄木は創刊号の発行に際し、蕗堂に請われるまま、長詩「公孫樹」と「かりがね」「雪の夜」の三篇の作品を書き送り、雑誌を飾った。これは、蕗堂が『明星』に投稿していた関係で啄木に依頼したもので、啄木と函館を結ぶ発端はここにある。 函館入りした啄木は、早速、編集発行一切を流人から任され、第六号から担当し、誌名を『紅苜蓿(れつどくろばあ)』と改称して、第七号には小説「漂泊」を啄木名で、短歌「曽保土」を西方左近の名で発表するなど、原稿難にあっての啄木の活躍ぶりがうかがわれる。 「雑誌紅苜蓿は四十頁の小雑誌なれども北海に於ける唯一の真面目なる文芸雑誌…