もくじはこちら ●野望〔三〕 ●野望〔三〕 雉子を追う鷹と犬。初心(うぶ)な狩人(綱重)が逆上して、馬を走らせ矢を射ようとする。尾張藩の徳川光友は不吉な結末を予期し犬を押さえるよう部下に指示する。綱重が射た矢が鷹に刺さった。何者かが綱重に矢を射て、綱重の左腕に命中した。 すぐに犯人を追ったが見つからなかった。据罠が残っていた。 放鷹(二) 尾張藩上屋敷に老中松平伊豆守信綱が駕篭に乗ってやってきた。綱重の状況を聞いた松平伊豆守信綱に徳川光友は箝口令を敷いていた。始めに松平伊豆守信綱に相談した理由は、公にして事態が紛糾することを恐れたためだった。 そしてその様子を天井裏で何者かが聞いていた。 中根…