川村学園女子大学教授。千葉大学名誉教授。美術史家。1935年生まれ、2007年没。 東京に生まれる。東京芸術大学美術学部芸術学科専攻科修了。 1962年から1964年まで、イタリア政府給費留学生としてローマに滞在。 ローマ滞在中に知ったイコノロジー(図像解釈学)という方法論を、日本のアカデミズムで定着させた功績は大きい。 「イメージ・アンド・ジェンダー」研究会の中心的メンバー。 大塚国際美術館のルネサンス絵画選定委員も務めた。 川村学園大学副学長の川端香男里は実兄。
など
古書店で見つけてさっそく読んだ。タイトルからビートルズ関連と思いきや、著者は若桑みどりさん。「クワトロ・ラガッツィ」は積読のままだったなあ、と思いつつ、いずれは「マニエリズム芸術論」あたりにも手を出しておきたいので、エッセイで人となりを知るのもよかろうと購入。購入時は700円は高いと思ったが、読んでみたら十分に元はとれた気がしている。 レット・イット・ビー 作者:若桑 みどり 主婦の友社 Amazon 「音楽広場」「サントリー・クォータリー」や新聞などに寄稿したものを集めた本。1988年刊行なので、子連れ出勤で話題になった「アグネス論争」に触れた文章もあった。今なら、育児休暇などの法整備もされ…
3連休中に国富町の法華岳公園に行きました。 グラススキーができる施設がありますが今はやっていない。 宮崎平野が見下ろせます。 公園に釈迦岳という830メートルの山への登山口があり、けっこう車が停まっていました。かなりの人が釈迦岳に登ってるんでしょう。いつかワタクシも登ってみたいです。 この一番高いのが釈迦だけらしい。 法華岳・釈迦岳と仏様系の名前ですが、 718年(養老2)に釈迦岳(830m)の山頂にひとりの高僧が御堂を建て、薬師如来像を安置し、金峰山長喜院と呼んだのが始まりといわれています。806年(大同1)に唐から帰朝した最澄が九州の霊山を巡礼中、同地に立ち寄り、水に乏しく狭いことから法華…
文章が書きたい気がしながらもパソコンを開く気力もなかったり、逆にそんな暇もないくらい何かに夢中になっていたり、そんなこんなでいつの間にか時間が経ち、久方ぶりにブログを開いた。 最近はといえば、ホワイトでいい会社だと思って働いていたら、身近でハラスメント事案が起きて、それに対する組織の対応と、組織のなかにいる人間の頭の悪さ(悪意ある表現かもしれないけれど最早そうとしか思えない)にうんざりして、日々何かに怒っている。ハラスメント事案がなくても、毎日何かに怒って生きてはいる気がするけれど。不機嫌にもなるよなフェミニストは。2023年、新しい年を迎えてなお、私たちは「おじさん」と戦わなくてはならないの…
若桑みどり『女性画家列伝』(岩波新書)を読む。雑誌『創文』に連載したものをまとめたもの。12人の女性画家を取り上げ、その画家の「本質をえぐる」という点を追及している。 取り上げている画家は、シュザンヌ・ヴァラドン、アルテミジア・ジェンテレスキ、エリザベート・ヴィジェ・ルブラン、アンゲリカ・カウフマン、ケーテ・コルヴィッツ、上村松園、ラグーザ・玉、山下りん、マリー・ローランサン、レオノール・フィニ、ナターリア・ゴンチャローヴァ。 シュザンヌ・ヴァラドンはユトリロの母、ドガは、「彼女に素描の天才があり、しかもそこには古典的精神がある」と言ったという。ただ「彼女は解剖学を知らず、人体の有機的構造を把…
若桑みどり『絵画を読む』(ちくま学芸文庫)を読む。副題が「イコノロジー入門」、「イコノロジー」とは図像解釈学。11月に読んだ若桑みどり『イメージを読む』の姉妹書。若桑によれば、『イメージを読む』は初級用の、『絵画を読む』は中級用の啓蒙書とのことである。本書はもともと1992年NHK教育テレビの「人間大学」で全12回6時間に渡って放映されたテクストを改訂したもの。NHKブックスの1冊として1993年に発行された。私も当時NHKブックスを購入して読んでいる。今回それを書棚に探したが手放してしまったようだった。 本書で取り上げた絵画は、カラバヴァッジョ「果物籠」、ティツィアーノ「聖なる愛と俗なる愛」…
今年1年間で読んだ本は125冊と少な目だった。とても良かったと思った本が22冊、こりゃ駄目だと思ったのが4冊。駄目な本が4冊と少ないのは、元々良さそうな本を選んで読んでいるからだ。それらを読んだ順に挙げてみる。 まずとても良かった本を、 『この国のかたち 六』(司馬遼太郎、文春文庫) https://mmpolo.hatenadiary.com/entry/2022/02/19/121447 『地球の平和』(スタニスワフ・レム、国書刊行会) https://mmpolo.hatenadiary.com/entry/2022/02/13/114628 『俳句と人間』(長谷川櫂、岩波新書) htt…
キリスト教の伝来の話が、あっさりしすぎている。 教科書だと、鉄砲が来た、ザビエルが来た。で、今まで僧侶が中国に行ってたけど、今回は子供がヨーロッパ行った。そんな紹介に過ぎなかったと思うのでですが、実は、奥深い背景、そして世界史と大きくつながりが あったのが「天正遣欧少年使節」です。 ■スペインやポルトガルは大航海時代まず、先述の「応仁の乱・戦国時代と大航海時代の幕開け」の通りで、スペインやポルトガルは大航海時代にありました。ローマ教会(カトリック)が腐敗してる中、 1517年、ドイツのルターの宗教改革、スイスのカルヴァンらの改革によって、キリスト教はカトリックとプロテスタントにニ分されていきま…
クワトロ・ラガッティの一人である中浦ジュリアン。 先日、冷たい雨の中を訪れた中浦の集落で、 その苔むした坂の上に彼の記念館を見つけた。 以前、ローマを旅した時、天正遣欧使節団のことが気になって、 しばらくそれについて調べたりしたことがあった。 当時の宣教師が残した本などを読み、 少年4人(イタリア語ではクワトロ)がバチカンを目指したことを詳しく知った。 ラガッティは少年のことだ。 苦労に苦労を重ね西洋に旅をした彼らの情念が知りたかった。 そこで、彼らのことに強く興味を持ち、 バチカン近くのアパートに住んで、深く彼らのことを研究した、 西洋美術史家の若桑みどりが「クワトロ・ラガッティ」という本を…
若桑みどり『イメージを読む』(ちくまプリマ―ブックス)を読む。副題が「美術史入門」。1991年に北海道大学で5日間の集中講義を行った。その講義を元に仕上げたのがこの本だった。 取り上げた作品は4点。ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、デューラーの「メレンコリアI」、ジョルジョーネの「テンペスタ(嵐)」、これらについて実に詳しい解説が加えられる。知らないことばかりで驚いた。イメージの中に隠された意味について深いところまで教えてくれる。 「モナ・リザ」について、 この女の人が笑っているのは「聖アンナ」の笑いであって、あなた方は何も知らない、私が知っ…
いよいよ月の数字も2桁になって年の瀬が近づいてきた感がましましですが皆様いかがお過ごしでしょうか。「7」を意味する「セプト」から7月がセプテンバー、「8」を意味する「オクト」から8月がオクトーバーという名前になったのに、手前にジュライとオーガストが割り込んだので9月10月にズレたという説明がいまいち納得いかないブログ管理人です。そんなにセプテンバーとオクトーバーを残したかった? そんなわけでここに書く内容のネタ切れも甚だしいですが、10月に出た新刊チェックいきましょう。 ピエタとトランジ (講談社文庫) 作者:藤野可織 講談社 Amazon 藤野可織による最強のバディ小説が待望の文庫化。こちら…
絵画を読む ――イコノロジー入門 (ちくま学芸文庫 ワ-4-5) 作者:若桑 みどり 筑摩書房 Amazon
イメージを読む (ちくま学芸文庫)作者:若桑みどり筑摩書房Amazon 美術史の入門書。 著者によると,美術史とは〈イメージ〉を解釈するもの。〈イメージ〉とは「目に見えるもの」で,「美術史の目的とは〔…〕人類の視覚的なメディアを用いた想像行為の研究」。そしてその方法論には3つあって, 様式論。「芸術の様式という場合は,色や形や構図などの使い方の総体をさしている」「様式とは,個人的なものであると同時に社会的なものであり,また歴史的なものなのです」。 図像解釈学(イコノロジー)。「芸術作品が想像された理由や意味を探り,その作品がどういう意味をもって伝承されたかをたどり,人類の総合的な歴史を関連づけ…
卓球の世界選手権(団体)の組合せが決まった(→https://worldtabletennis.com/description?artId=1838)。 決勝トーナメント表 男子の日本チームは,グループ3で,イランに3-0,ルーマニアに3-2,香港に3-1,ハンガリーに3-1で勝ち全勝で決勝トーナメントに進んだ。ルーマニア戦では張本が1敗するも戸上が2点,香港戦では戸上が1敗するも張本の2点と及川の大逆転による1点で勝ち星を重ねた。 決勝トーナメントの初戦はブラジルとの対戦となった。中国と同じゾーンになり,準決勝に勝ち上がるのは簡単ではない。5日16時(日本時間)にブラジルと対戦する。 女子は…
はじめに ぶんぶんの身体の90%はアニメと特撮でできていますが、まるで私のために開催された講演会に行ってきました。 企画は三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」、講師は横浜国立大学の須川亜紀子教授、時代によって移り変わるジェンダーや男女のあり方などがアニメ作品にどう反映され、私たちに影響を与えてきたのかを考察します。 講演後に講師に直撃し、「講演内容をブログで記事にしてもかまわない」とお声をいただいたので、その様子を伝えます。 枠内は聞いた話、それ以外はぶんぶんの独り言です。 会場の生涯学習センター www.center-mie.or.jp フライヤー 須川先生は日本アニメーション学会会長…
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