今回の蕗狩通信は、トロッコが出てくるイギリスのジュヴィナイル小説『砂』を紹介するヴィネット(ミニジオラマ)です。 子供の頃に読んでとても面白かった記憶のある物語です。 このお話、内容はなんのこともない、寂れた田舎町に住むどこにでもいるような普通の少年たちが、かつて海砂採取をしていた海岸砂丘で砂に埋もれた線路をたどりながらうろつきまわり、偶然見つけた恐竜の骨の化石らしきものを、ただひたすら女の子にモテたいという一心で、トロッコに積んで運び、女子校の校庭に並べて怒られるというだけの、全然ドラマチックでもなんでもない淡々とした、山なしオチなし意味なしの、いかにもの英国少年少女小説ですが、これがなんと…