先週、英国で「AI Safety Summit」が開催された。ウクライナ紛争・中東危機・台湾海峡の緊張などで、グローバリズムは終わったと言う有識者もいるが、国境のないサイバー空間が経済社会に占める比重が飛躍的に増えていて、国境を閉ざすことの意味は小さくなってゆく。そのため、AIのような大きな期待と課題を抱える案件については、開かれていて、かつフラットな議論の場が必須である。 「落日の大国」である英国だが、この種のことには抜け目がない。まず英国で開催した国際会議を、各国で持ち回りするよう提案し「創業者プレゼンス」を得るのだ。10年前から始まった、サイバーセキュリティに関する官民会合も提唱者は英国…