(約1900文字・購読時間3分0秒) 近代に入り、茶の湯の世界には従来の武家や公家とは異なる新しい数寄者たちが登場した。彼らは明治維新後の急激な社会変化の中で、茶の湯に革新的な変化をもたらし、現代につながる茶道の基盤を形成した。 明治期の産業革命により台頭した新興財閥の当主たちは、茶の湯を通じて文化的権威を獲得しようとした。三井家の三井高棟、住友家の住友友純、そして関西の実業家である野村徳七(得庵)や松永安左エ門(耳庵)などが代表的な存在である。 これらの新興数寄者の特徴は、従来の家元制度による段階的な修業過程を経ることなく、経済力を背景に短期間で茶の湯の世界に参入したことである。彼らは優れた…