灰被天目に分類される天目茶碗の名物。越前朝倉氏一族の朝倉景紀が所持していたが、後に織田信長の手に渡り京都所司代の村井貞勝に下賜された。貞勝死後は羽柴秀吉が所有した。 朝倉景紀から村井貞勝への来歴 本能寺の変後 参考文献 朝倉景紀から村井貞勝への来歴 天正十年(1582)四月九日朝、堺の豪商で茶人の津田宗及は、織田信長家臣で京都支配を担っていた村井春長軒(貞勝)の茶会に参加。そこで「小紫肩衝*1」とともに「豊後天目」を目にしている(『津田宗及茶湯日記』)。 津田宗及は「豊後天目」について以下のように記している。 朝倉九郎左衛門所持候也。上様より御拝領也。前ニタカノ豊後所持候天目也。薬色黒シ、此ナ…