今日は再び万葉集。巻十二。 前回の伊勢物語の軽薄ナンパ男の歌に食傷したから、もう少し純な歌を。 妹門 去過不得而 草結 風吹解勿 又将顧 一云 直相麻弖尓 (3056) いもがかど ゆきすぎかねて くさむすぶ かぜふきとくな またかへりみむ 一云 ただにあふまでに 軟派度および思わせぶり度は、ゼロ。真剣味、かなり高め。甘酸っぱさ、八十パーセント。自己陶酔度、ちょびっと。ストーカー傾向、若干(まあ健全な範囲)。「思いの乱れ」度数、ゼロ。 そして、不審な点、複数。 まずひっかかるのは、相手の女性を「妹( sister もしくは婚約者、妻)」と呼びながら、ステディな関係ではなさそうなところ。 彼女が…