はしご酒(2軒目) その五十三 「アラミタマ ノ ジダイ」 怒れる仏は煩悩を焼き尽くす、荒御魂(アラミタマ)。 そう、荒御魂。 荒御魂とは、荒ぶる神霊のことらしく、噂以上に、やることなすこと、天上人とは思えないほどの激しさ。で、なんだかちょっと、恐ろしくなるぐらいである。 で、あるのだけれど、そうした畏(オソ)れこそが、そうした畏れに心震えることこそが、この、心、大いに乱れる現代社会において、この上もなく大切なモノと私が信じて疑わない「畏怖(イフ)の念」なのである。 そう、畏怖の念。 にもかかわらず、この「畏怖の念」、ナゼか、どうも、ドコかに置き忘れてしまいがちなのだ。 ナゼ、置き忘れてしまい…