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萌え

(一般)
もえ

オタク特有のスラング。
2004年、流行語大賞ノミネート。2005年は「萌え〜」として流行語大賞トップテン入り。
一般に「架空のキャラクターに対する愛情」として理解されることが多い。が、マスコミ的にはオタク全般に対するイメージと合わさり、歪んだ伝搬をされることもしばしばである。なぜか萌え=メイドさん、のニュアンスが付加されるなど。

語源について

1990年頃から、ある特定の(名前に「萌」の文字が含まれている)アニメキャラクターや声優などのファンの間で使われていたとされる。その発信元が誰のファンからなのかは諸説紛々ある。

  1. NHKのアニメ「恐竜惑星」(1993年〜)のヒロイン「萌」説
  2. 「美少女戦士セーラームーン」(1992年〜)の「土萠ほたる」説
  3. 声優の「長崎萠」(1995年〜)説
  4. 石はしる垂水の上の早蕨の萌えいずる春になりにけるかも(万葉集/志貴皇子)(785年〜)説

実際には「燃える」のミスタイプ説、駄洒落説が有力であり、上記の三例は成立過程のひとつに過ぎないとみなす識者も多い。
「萌え」、と語幹で切って名詞化されているのは、「萌える」という動詞としてだけでなく、「萌え萌え」という反復語(擬態語に近い)や「萌え〜!」という感嘆詞(これは上記の「萌」という名前のヒロインを叫んだものでもある)として用いられることが多かったため。こういった擬態語や感嘆詞としての表現は、「燃える」の方が先行していたことに注意(パソコン通信の過去ログなどで「燃え燃え」や「燃え〜!」といった会話が発見できる)。
そもそも「燃える」という表現自体が、キャラクターへの愛情を自然現象に喩えたメタファーだったわけだが(「心温まる」という隠喩表現があるように)、「芽生える」という意味の「萌える」の方が、より適切なメタファーとして機能したため、現在の普遍性を獲得しえたのだと思われる。

一般書や雑誌、同人誌における黎明期の用例の収集。

  • 2001年3月16日初版発行のコミック、ぢたま某『気分気分』(第2巻)の第8話のタイトルが「らぶこめ気分もえもえ気分」(p.87)

用法

「萌え」自体は名詞、もしくは形容動詞の語幹として活用する。
前述したように「萌え萌え」という擬態語、「萌え!」「萌え〜!」という感嘆詞としての用法がある他、接頭辞(「萌え属性」など)や接尾辞(「妹萌え」など)としても用いられる。
動詞としての「萌える」は、一人称にも他人称にも付けることが可能なので、「私は○○に萌える」「あなたは(私から見て)萌える」「彼女は(私から見て)萌える」などと多種多様に表現することができるが、日本語の常として主語は省略されがちである。
なお、本来「萌え」は「草木が芽ぐむこと」を指す言葉である。

各定義(一般的用法から核心的用法までを無差別に列挙)

  • コンテンツ上のキャラクター(漫画・アニメ・ゲームなどの登場人物やアイドルなど)への抽象的愛情表現。それらに恋心、またはそれに非常に近い感情を抱く様子。対象は人物そのもののみならず、特徴や仕草、または状況に対して、またはその全てであったりもする。
  • 「好き」や「可愛い」よりニュアンスの強い表現。
  • 女の子の決して近づくことのできない聖域に対する強い愛情や欲望を表す言葉。
  • 女の子の何かに対する「かわいらしくてうれしい」感情。
  • オタク向けコンテンツのキャラクターに対する愛情表現(自嘲や揶揄を含む)。
  • 特定のパーツ(眼鏡、ツリ目、ネコミミ、メイド服など。いわゆる萌え属性、萌え要素)を備えたキャラクターに対する偏愛や強い愛着を抱く様子。(例:眼鏡っ子萌え)
  • ある特定の傾向の性格(これも萌え属性に含まれる)を持つキャラクターに対する偏愛や強い愛着を抱く様子。(例:ツンデレ萌え,委員長萌え)
  • 主に幼女や美少女などといった、かわいらしいもの、いじらしいものを目にしたとき、脊髄反射のような感覚で起こる、生理的で原始的な感覚。魅了され、激しく心が動くこと。
  • 大人の女を相手にできない男が、言うこと聞いてくれそうな美少女に対して使う腐った愛情表現。(堂高しげる説)
  • それだけでは普通一般には好きとも嫌いとも判断できかねる(ほどに些細な)事項に対し、好意を覚えること、またその感情。
  • 単に「自分はこれが好き」というこだわりや思い入れ、没入感を示すための強調語として使われることもある。その対象は、それこそ好き勝手に個人の嗜好で選ばれるため、これといった類型は無い。
  • 「脳内恋愛」の言い換え。この場合の「萌える」とは、「脳内恋愛を妄想する」ことを意味する。

「萌える」気分について

  • 元々同人系のオタクが使い始めた「萌え」は、その起源と関係なく、徐々にではあるが広く一般的に(他のジャンルのオタクやオタク的な感性を持つ者または「オタク」と呼ぶほどでもない愛好者・ファンの間でも)使われ出す。柔らかく温かい響きが、人々に好意を持って受け入れられている理由なのだろう。ここでは、主にオタクが萌えを使うときの、部外者には分かりづらい点について、補足しておく。
  • 重要なのは、この萌えが、彼らがキャラクターに対する愛情を表明したりして盛り上がりたい、といった彼ら独特で共通の気分を簡単に説明できたがゆえに、特定のファン以外のアニメファンの間でも急速に広まり、萌えが彼らの共通言語となったことだ。
  • その後、語源の一つといわれるキャラクターが含まれる「美少女戦士セーラームーン」のヒットの原因が「萌え」を促進させる構造にあると分析した庵野秀明による「新世紀エヴァンゲリオン」のブレイク(商業的成功)によって「萌えビジネス」が確立。後に「To Heart」など、萌えを決定付けさせる作品が乱立する。その結果、もともと「パソ通」などの限定的な空間で使用されていた「萌え」が、インターネットの普及にともない、アニメファンの活動が個人ファンサイトやBBSなどでも行われるようになり、結果、予期しない多くの人たちの目に触れられるようになるにつれて、漫画やアニメやゲームのキャラクターや声優などの「オタク専門趣味」以外の人たちも使うようになる。

「萌え」の広がりについて

  • そして、既に多くのオタクは「萌え」というフレーズを解体して多義的な用い方を好むようになっている。キャラクターに限らず、身近な異性や同性の「ちょっとした可愛い言動」に対しても「萌え」と言うし、パソコンや車といった非生物や、概念にすら「萌える」ことも少なくない。
  • 「萌え」とは「愛」というプリミティブな感情をただ別の言葉で言い換えただけだ、という考え方もありうるだろう。
  • 更に言えば、「激しく心が動く」ほどでなくとも、軽い気持ちで(「好き」よりもライトな感覚で)発言されるケースも多い。
  • なお、2004年から一斉にマスコミが「萌え」を取り上げたのは、美少女イラストつき英単語帳『もえたん』のヒットや、ニッポン放送のラジオ番組『東京キャラクターショーRADIO』にて、DJをつとめた声優の田中理恵とアナウンサーの吉田尚記が、夜な夜な「萌え〜」と連呼していたことも影響していると思われる。「萌え」と関連して語られるキーワードとして、電車男、メイドさん、メイド喫茶、ツンデレ、キボンヌなどが挙げられる。

 

web辞書などにおける解説

(1)マンガ・アニメ・ゲームの少女キャラなどに,疑似恋愛的な好意を抱く様子。特に「おたく好み」の要素(猫耳・巫女(みこ)などの外見,ドジ・強気などの性格,幼馴染み・妹などの状況)への好意や,それを有するキャラクターへの好意をさす。対象への到達がかなわぬニュアンスもある。
(中略)
(2)(1)が転じて,単に何かが好きな様子。または何かに熱中している様子。

萌え(もえ)とは、アニメ・漫画・ゲーム等様々な媒体におけるある種の対象に対する、何らかの感情の高まりを表す言葉。詳細説明は後述。「萌え」は2000年代中盤から社会的に広く認知される言葉となり、現在ではその経済的価値が注目されマーケティング対象として研究される社会現象となっている。

Moe or Moé (萌え pronounced mo-EH) is a Japanese slang word originally referring to a sometimes fetishistic feeling of affection for or sexual attraction to female characters in video games, Japanese anime and manga -- either individually or as a group. For example, 眼鏡っ娘萌え, meganekko-moe, "glasses-girl moé", describes a person who has a thing for (fictional) girls with glasses.

訳:Moeとは元来、ビデオゲームや日本のアニメ・マンガに出てくる女性キャラクターに対し、個別に(注:特定のキャラクターに対し)、あるいはグループ的に(注:同一の萌え属性を備えるキャラクター全体に対し)感じる、フェティシズム的な愛情や性的魅力のことを言う、日本の俗語である。例えば眼鏡っ娘萌えは、眼鏡をかけた(架空の)女の子が大好きな人のことを言う。

「萌え」は芽生えを意味する「萌える」が語源です。アニメやまんが、ゲームの登場人物に愛情を覚えることをいいます。アニメなどに強いこだわりを持つ「おたく層」から生まれました。そんな「萌え」を意識した書籍や映像、ゲームの市場規模が2003年で888億円になることが、浜銀総合研究所(横浜市)の調査でわかりました。また、昨年秋、イタリアのベネチアで開催された国際建築展の日本館のカタログには日本特有の美意識を示す「侘び」「寂び」と並んで「萌え」も紹介されました。日本のアニメが人気を集めていることもあり「萌え」も世界に広がる可能性があります。

現代の萌え事情

アニメなどの登場人物の性格で、愛らしい「萌(も)え」という感情を意識した書籍や映像、ゲームの市場規模が、03年で888億円に上ることが浜銀総合研究所(横浜市)の調査で分かった。バターやステレオコンポの出荷額と並ぶ規模で、同研究所は「近年大きく膨らんだ市場。無視できないジャンルとして確立している」と分析している。
(略)
浜銀総研は、萌え市場を書籍・映像・ゲームの3分野に分け、書籍は関連するコミックの販売額から273億円、映像は関連アニメビデオソフトの販売額から155億円、ゲームは恋愛シミュレーションゲームの販売額から460億円と推計。おたく層全体のゲームなどの市場規模は約2900億円との推計値もあり、単純比較で3割が「萌え関連」とみられる。

関連資料:『おたく層全体のゲームなどの市場規模は約2900億円との推計値』のデータ元

株式会社野村総合研究所(略)はこのほど、特有の消費行動を示す日本のマニア消費者層(いわゆる「オタク層」)の市場規模推計と実態に関する調査を、主要5分野(アニメ、コミック、ゲーム、アイドル、組立PC)について行いました。今回の推計で、5分野全体におけるマニア消費層の消費規模は約2,900億円に達することがわかりました。コンテンツに関連する4分野(アニメ、アイドル、コミック、ゲーム)の産業全体の市場規模は約2兆3,000億円であり、このうちマニア消費層の割合は、金額ベースで11%を占めることになります。マニア消費者層の市場に対する影響力と消費規模は、もはや「ニッチ」とは言えなくなっています。

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