鑑賞後、本作のモチーフとなった萩原慎一郎の歌集「滑走路」を読んだ。 本作を観て、より多くの人が32歳で夭折した萩原慎一郎という歌人を知り、彼の作品に触れることを心より祈っている。 歌集には、非正規雇用で働いていた歌人の悔しさや不安を詠んだ歌、恋の歌、理想とする自分とは違う自分への焦り、そして短歌への信頼と自信を詠ったものなど様々な歌が収められていた。映画は、歌集に表現された一人の歌人の多面性を、登場人物それぞれに分け関係性を絡ませながら、それぞれの成長を描いていたが、個人的にはフィクションでいいので、一人の歌人の誕生物語として観たかった。17歳で短歌に目覚めたその背景、詠うことで生きた、繊細で…