谷崎潤一郎の『青春物語』というエッセーを読みはじめた。 去年、池袋の古本市で手に取り、貴重な写真が沢山掲載されていたので購入したものだった。 読み始めて半分で止めた。 理由は、気分が悪くなったから。 本人は肩のこらない笑い話として皆が知ってる有名人の話をサービスしているつもりのようだか、 あまりにもキツい、キツ過ぎる。 【大貫晶川 (岡本かの子の兄) さんの場合】 本名を雪之助と云つたが、玉川在二子村の生れで、色の真つ黒な、手に白なまづのある、 田舎者丸出しの風采だったから『大貫は雪之助できない、雲之助だよ』と、辰野はそんな惡口を云つた。 ヤダっ! 二重に失礼!! 谷崎潤一郎にとって当時の二子…