和菓子の中でも干菓子という大きい分類の中に落雁が入ります。干菓子とは、乾燥して水気を含んでいないお菓子のことを言います。生菓子に対する言葉です。
落雁はお茶請菓子に用いられたり、仏事や祝儀の盛菓子にもよく使われます。
落雁の製法は、糯米を炒って粉末とし、それに砂糖や水飴を加え、花や鳥などの型に入れて固めていろいろな形にし、乾かしてつくります。
胡麻や紫蘇などを混ぜて風味を加味したもの、餡を詰めたものなどさまざまなものがみられます。
京都百万遍かぎやの落雁「野菊」は、アーモンド入りの風味豊かな落雁です。先代がモロッコ旅行をしたときに思いついた「アーモンド」を入れるというアイディアをもとに作られたそうです。その当時は、洋のものを和菓子に入れるのは大変な冒険で、改良に改良を重ねた末に、「ようやく人様のお口にいれても恥ずかしくないお菓子にしあげることができた」とか。この百万遍かぎやの落雁「野菊」を愛してやまないお菓子愛好家は私だけではないはず…。単なるでんぷんと砂糖のかたまりとしか思っていなかった落雁への認識をひっくり返してくれた逸品です。
余談ですが、烏龍茶「鉄観音」にこれがまたよくあうんです。