2022年10月半ば祖父が80歳で他界した。 私は母子家庭だったため休日や学校の後はよく祖父の家にいた。 祖父はいわゆる亭主関白で頑固で口数少なく沸点の低い人面倒な大人だった。 祖父の決まった席があり、いつ祖父の家に行ってもその席に座っていて祖母が家事などしているという感じだ。 祖父は体が悪くあまり動けないということもあるが子どもながらにその亭主関白ぶりには辟易していた。 そんな祖父も孫の私と兄のことは可愛がってくれていた。たまに気分がいい日には、ぶっきらぼうに私たちをぼろぼろの薄汚れた見たこともないような緑茶色の軽自動車に乗せて街まで連れて行ってくれて遊戯王を買ってくれたりした。車内では石原…