中公文庫 1976年 朝鮮の三十八度線を越えて、戦後の激しい 混乱の中を息子ふたり、赤ん坊ひとりを背 負い生き抜いたと云う生きる活力の湧いて くるような書。僕らがどれほど恵まれた環 境で生きているかがよく分かった。戦争と 云うものの恐ろしさ、人を変えてしまうのだ。 僕だったら、そんな境遇で生き抜けただろ うか、と考える。僕も大抵の辛いことは 体験してきたと思っていたが、それを上回る トラウマとなってもおかしくないほどの 経験。人間と云う根源に迫った書でもある。 僕はこの本を110円で何の気なしに買ったが、 いやいや、ひとりでも多くの人に、特に 日本人に読んで欲しい本であった。 (読了日 202…