某月某日。 書店をウロウロしていて、なんとなく「月刊ムー」を購入してしまった。 江戸時代。 常陸の国の海岸に流れ着いた円盤形の船。 乗っていたのは髪の長い異国の女性だった。 船には見慣れない文字のようなものが書かれていた。 「虚船(うつろぶね)事件」として知られるこの出来事は、江戸時代のUFO飛来事件とも言われている。 江戸時代、好事家たちは奇談なるものを求め、その情報を共有するために一種のサークルが作られた。「南総里見八犬伝」で有名な滝沢馬琴は「兎園(とえん)会」なる会合を月一で開き、メンバーは今で言う都市伝説を披露し合い盛り上がったという。 馬琴はそこで仕入れたネタを文章にしたためた。 名…