奈良市内の西部には蛙又池(かえるまたいけ)と言う風光明媚なため池がある。近鉄菖蒲池駅の南側、歩いて数分の場所に位置する。この池は、とてつもなく歴史的に価値のあるため池である。築造は推古天皇の時代(607 年)とも伝えられ、日本書紀にも登場する。 「我が国最古のため池」の称号は、現在、大阪の「狭山池」(616 年)にある。狭山池の年代は、発掘された遺跡を年輪年代測定で鑑定しているため精度が高い。一方、蛙又池の年代は書物等による伝承のみであるため、少々、分が悪い。しかしながら、蛙又池の方が最古である可能性は十分に高い。 ため池とは、用水確保のために水を貯えた人工の池である。では、ダムとの違いは何か…