これは、遠い遠い国の昔々のお話です。 その頃はまだ、電灯はおろかガス灯も発明されておらず、人々は朝日が昇るのに合わせて起き出し、太陽の光の下で畑仕事をしたり家畜の世話をしたりしていました。そして、夕日が沈むのに合わせて仕事を切り上げるのでした。 でも、農作業のような外での仕事を持つ人ばかりではありません。それに、農民にも室内で行う作業がたくさんあります。 そのような者たちが用いた明かりとしては、まず暖炉がありました。つまり、室内で薪を燃やし、その炎で室内を明るくしようというのです。多くの場合、人々が暮らす村と彼らが耕す畑よりも、その周りに広がる森の方がはるかに広かったものですから、薪は安価で手…