標記公演を見た(3月5日, 6日夜 東京文化会館 大ホール)。都民芸術フェスティバル参加公演である。ペロー原振付(1844年)、プティパ改訂振付(1866~99年)、ユーリ・ブルラーカ復元振付・演出の『ラ・エスメラルダ』は、2009年ボリショイ・バレエで初演された。4幕構成・3時間半に及ぶ大作(アンナ・ゴルディーワ、訳・宇都宮亜紀、『ダンスマガジン』新書館、2010年4月号)だが、今回は3幕構成・3時間10分にまとめられている。その中身は、ロマンティックバレエと古典バレエのせめぎ合いに、ソ連時代の追加振付、さらに男性群舞(1、3幕)の新振付を加えた、言わば「見るバレエ史」である。ゴルディーワに…