私は韓国に来る以前にはマンションというものに住んだことがありませんでした。 五歳の時から平均的な大きさの一戸建ての住宅に住んでいましたし、私の母親は今でもその家に住んでいます。私が住んでいたその町は数百年前からある、とても平凡な日本の地方都市です。 幼かった頃の私には沢山の「ご近所さん」がいました。小学校の通学班で一緒だった友だちの両親だけでなく近所の大抵の大人たちは、私がどこの家の次男坊なのか知っていて、私はそんな近所の大人たちに自然と挨拶をして育ちました。その町を離れてから三十年近く経った今でも「ご近所さん」は懐かしそうに挨拶をしてくれて、私が幼かった頃の思い出話をしてくれます。今この歳に…