友達も家族もいない巨人が、寂しくて、自分の住んでいる場所に、 街から家を、そこに住む人々を盗んでいきます。 巨人は盗んだ人々に、その代償として願い事をなんでも叶えますと伝えると、 人々は、私たちだけでは寂しいので、自分たちの家族を、友人を連れてきてくださいと 言い、みんな連れてくると、今度は私たちだけでは不便なので、 お店を持ってきてくださいと言い、 その数はどんどん増え、とうとう街まるごとを盗むことになりました。 巨人の周りには、人が溢れましたが、 巨人のさみしさは、解消されるどころか、募るばかりでした。 一人でいる寂しさよりも、誰かと一緒にいる寂しさのほうがつらい。 巨人はとうとう耐えられ…