ブラジルのストリートで「街」について考える 文・福嶋真砂代 (c)KOTA ABE ブラジルのグラフィティに興味を抱いた阿部航太監督(撮影・編集)のデビュー作が公開中だ。単身ブラジルに渡って6ヶ月間(2018-19)滞在し、「街は誰のもの?」というテーマについて、文化人類学視点で撮ったドキュメンタリー……と聞けば堅苦しい作品かと思うと、いやいや、とても敷居はひくい。映画の始まりこそグラフィテイロ(グラフィティアーティスト)を追うカメラの揺れにやや動揺しつつも、しだいにその“揺れ”ごと「ストリートにいる」臨場感となり、「いつからグラフィティをはじめたの?」「あなたにとってグラフィティを描くことの…