🌷【源氏物語 24 第2帖 箒木13】 「まじめらしく早く奥様をお持ちになったのですから お寂しいわけですわね。 でもずいぶん隠れてお通いになる所があるんですって」 こんな言葉にも源氏ははっとした。 自分の作っているあるまじい恋を人が知って、 こうした場合に何とか言われていたら どうだろうと思ったのである。 でも話はただ事ばかりであったから 皆を聞こうとするほどの興味が起こらなかった。 式部卿《しきぶきょう》の宮の姫君に 朝顔を贈った時の歌などを、だれかが得意そうに語ってもいた。 行儀がなくて、 会話の中に節をつけて歌を入れたがる人たちだ、 中の品がおもしろいといっても 自分には我慢のできぬこ…