本作は私にとって再読でありました。 きっかけは近くの市民ホールでやっていた映画の再上映です(因みに700円!)。 映画があるのは知っていましたが、見たことはありませんでした。ならば見た後に再読しようと思い、手に取りました。 ひとこと そうですね。印象は、西さんの作品らしい、静かな騒がしさ、とでも言いましょうか。 夫婦漫才ならぬ、親子漫才的な 物語は、主人公の子供の見須子喜久子(みすじきくこ)、彼女の眼を通して描かれます。小学五年生の女の子が、北陸の田舎の港町での生活を慎ましやかに表現します。性格は母親とは真逆。頭の回転もよく、器量よしで静かなタイプ。でも運動もできちゃう。母親を冷静・冷徹に観察…