ついに最後の巻になります。 ネタバレします。 前話で死んだ晁錯の物語。 漢が呂氏を討滅し文帝の時代に入った頃、晁錯は法家の学問を学んでいた。 文帝は古代からの政道を記した尚書(書経)を求めていた。ところがそれを知る伏生は済南に住み九十歳を超える老人でとても文帝の住む都まで出てくることは無理なのではと側近は答えた。 そこで晁錯の名が挙がったのだ。 晁錯は秀才との誉れ高い若者だった。 文帝は彼を召し出し済南の伏生のもとで尚書を学ばせることにした。 数年後都に戻ってきた晁錯は太子の侍従に任じられ教育を命じられた。 太子の信頼は厚く晁錯は太子邸の事務から会計まですべてを管理する「家令」にまで出征してい…