「なんの罪もない被害者などこの世に存在しない」の続きです。 被害者家族と加害者家族のどちらをより救うべきかといえば、それは被害者家族になるでしょう。 「『少年A』被害者遺族の慟哭」(藤井誠二著、小学館新書)と「加害者家族」(鈴木伸元著、幻冬舎新書)と「息子が人を殺しました」(阿部恭子著、幻冬舎新書)を読むと、その思いが強くなります。 この三つの本を読んですぐに気づく大きな違いは、「『少年A』被害者遺族の慟哭」はどのような犯罪であるかを書いているのに、「加害者家族」と「息子が人を殺しました」はどのような犯罪であるかをほとんど書いていないことです。おそらく、犯罪内容を伝えると「加害者家族が責められ…