「裁判員」制度とは、司法制度改革において「国民の司法参加」が検討された結果、「統治主体・権利主体である国民は、司法の運営に主体的・有意的に参加し、プロフェッションたる法曹との豊かなコミュニケーションの場を形成・維持するように努め、国民のための司法を国民自らが支えなければならない」との考えに基づき、導入されることとなった制度のこと。具体的には、刑事裁判において、広く一般の国民が裁判官とともに責任と分担しつつ協働する制度である。
【裁判員制度Q&A】/最高裁判所、法務省、日本弁護士連合会が作成したパンフレット「裁判員制度が始まります!」を参考にしています。
- Q1「裁判員制度とは、どのようなもの?」
- A1「裁判員制度は、国民のみなさんが裁判員として刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決める制度」
- Q2「なぜ導入されるの?」
- A2「国民のみなさんが裁判に参加することによって、法律の専門家ではない人たちの感覚が、裁判の内容に反映されることになる。その結果、裁判が他人事ではなく、国民のみなさんで分担していくものとして、司法に対する理解と信頼が深まることが期待されている」
- Q3「裁判員が参加するのは、どのような事件?」
- A3「代表的な例をあげると、次のような場合がある」
- 人を殺した場合
- 強盗が、人にケガをさせ、あるいは、死亡させた場合
- 人にケガをさせ、その結果、死亡させた場合
- ひどく酒に酔った状態で、自動車を運転して人をひき、死亡させた場合
- 人が住んでいる家に放火した場合
- 身代金を取る目的で、人を誘拐した場合
- 子どもに食事を与えず、放置して、死亡させた場合
- Q4「裁判員はどのようにして選ばれるの?」
- A4「最初に、選挙人名簿をもとに裁判員候補者名簿を作成。裁判員は、この候補者名簿の中から1つの事件ごとに、裁判所における選任手続により選ばれる」
- 選挙権のある人の中から、翌年の裁判員候補者となる人を毎年くじで選び、裁判所ごとに裁判員候補者名簿を作る。名簿に載った人には連絡がいく。
- 事件ごとに、候補者名簿の中からくじでその事件の裁判員候補者を選ぶ。選ばれた人には、裁判所に来てもらう日時等がお知らされる。
- 裁判長から、裁判員になれない理由がないかどうか、辞退希望がある場合はその理由などについて質問。裁判員になれない理由のある人や辞退が認められた人は候補者から除外される。また、検察官や弁護人は、双方とも、法律で決められた人数の範囲内で候補者から除外されるべき人を指名することができ、指名された人は候補者から除外される。
- 除外されなかった候補者から、裁判員が選ばれる。
なお、裁判員制度と参審員制度とは、前者は一つの裁判毎の任期であるが、後者は一定期間任期があるといった差異がある。
一方、2008年12月1日から犯罪被害者が刑事裁判に参加できる「被害者参加制度」がはじまっている。
2004年5月21日、「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」が成立。同年5月28日公布。
2009年5月21日、裁判員制度がスタートとなる。