「ブックデザイナー 呂敬人の軌跡」と書かれている。 当然、初めて耳目にする名前。 書かれているキャプションには「中国の豊かな出版文化の歴史を再発見し、新たなブックデザインの道を切り開いたパイオニア」「中国芸術の核心に迫る精緻なブックデザイン」とある。 会場内は一階も地階も薄暗い空間。 そして来場者はさほど多くなく、ゆったりと観ることができるが、ある意味、悠久な国の息遣いを感じるのに必要な時間とも思える。 並んでいるのは書画を書籍化したもの。 贅を尽くす、よりも手が込んだ、との表現がふさわしい。 実際に触って、表面の感触を確かめたくなるような、精緻な造り。 直近読んだ『児島青』の〔本なら売るほど…