「ティグ溶接入門」(著者:横尾尚志、他、発行所:産報出版、ISBN:978-4-88318-206-0)より。 溶接施工しながら作業者自身が裏波ビードの形成状況を直接観察するのはほとんど不可能であるが、ある程度経験を積めば、溶融池の状態から裏波ビードのでき具合を推定できるようになる。 たとえば、 まだ母材裏面まで溶融していない間は、熱膨張によって溶融池がやや盛り上がっているように見える。 母材裏面まで溶融して裏波ビードが形成されると、溶融金属が裏面に流動するので溶融池表面がやや凹んで見える。 裏波ビードが安定して形成されているときは、溶融池に比較的透明感があり、その大きさもほとんど変化しない。…