作家、英米文学翻訳家、アンソロジスト。1955年、青森県生まれ。青森県鰺ヶ沢高等学校卒業。
編・共訳書に、『怪奇小説の世紀』全三巻(国書刊行会)、『英国短篇小説の愉しみ』全三巻(筑摩書房)、訳書にアントニイ・バークリー『第二の銃声』(国書刊行会)、A・E・コッパード『郵便局と蛇』(国書刊行会)、『エドガー・アラン・ポー短篇集』(ちくま文庫)などがある。 また、2002年、『世界の果ての庭』で、日本ファンタジーノベル大賞を受賞。
『本の幽霊』西崎憲著を読む。 本や本に関連する不思議な6つの短篇集。最近は本への執着もなくなってしまったが、10代から20代の頃の自分を思い出させてくれる。文学少年や文学少女とかは、もはや死語になったのだろうか。何篇か紹介。 『本の幽霊』本のデザインを生業にしている「ぼく」は、長年探していた本をロンドンのとある古書店のカタログで見つけ、ネット通販でゲットした。やっと届いた本には「夏のあいだはその窓を開けてはならない」と書いてあった。そして本は消えた。なぜかカタログにも載っていなかった。似たような体験をした人は多いだろう。ぼくも、本の迷子や神隠し、家出、失踪、拉致などに遭って悲しい思いをしたこと…
あの人たちが本を焼いた日 ジーン・リース短篇集 (ブックスならんですわる) 作者:ジーン・リース 亜紀書房 Amazon 『あの人たちが本を焼いた日 ジーン・リース短篇集』ジーン・リース著 西崎憲編 安藤しを ほか訳を読む。 作者は旧英国領ドミニカ国に生まれのイギリス人。ロンドンの女子高に入学するが、周囲は奇異な目で見る。アクセントがおかしい。ひそひそ。植民地から来たの、どおりで。「きみはイングランド人じゃない、汚い植民地人だ」(『あの人たちが本を焼いた日』より)。 彼女ははじめ素朴な疑問を抱くが、それ以降同じような数々の嫌な体験をするたびに、これがヨーロッパなのだと思うようになる。先進国、文…
郊外のフェアリーテール キャサリン・マンスフィールド短篇集 (ブックスならんですわる 02) 作者:キャサリン・マンスフィールド 亜紀書房 Amazon 『郊外のフェアリーテール キャサリン・マンスフィールド短篇集』キャサリン・マンスフィールド著 西崎憲編訳を読む。 作者は自分が女性であることに対して優越感と劣等感を同時にかなり込み入って有している。ジェンダーギャップ、社会階層ギャップ、ミサンドリー(男性嫌悪または男性蔑視)などが根底にあるような。一時期流行った言葉で延べるなら、こじらせ女子系。元祖わきまえない女子系。 ヴァージニア・ウルフとは好敵手だったとか。当時の(いまでもか)作家=男性と…
ゆみに町ガイドブック 作者:西崎 憲 河出書房新社 Amazon 『ゆみに町ガイドブック』西崎憲著を読む。 ゆみに町に住む小説家・翻訳家の「わたし」(女性)。何やらコンピュータ・プログラミングでゆみに町に関係している「雲マニア」。クリストファー・ロビンを探す、なぜか「片耳のプーさん」。彼ら(彼女ら)の話が重層的に展開する。 浦安方面にある王国となぜか似た名前の「デステニィーランド」。それは、「わたし」の脳内にある町。そしてゆみに町の影の町でもある。 中心のような周縁 周縁のような中心。彼岸と此岸。旧市内と新市街。過去 現在 未来が 混在するような町。この風景は本物なのか 偽物なのか。出てくる人…
おすすめ度: ★★ (3つ星が最高点) 全ロック史 作者: 西崎憲 出版社/メーカー: 人文書院 発売日: 2019/02/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る タイトル通り、ロックの創成期から現代までを総括した全ロック史。年表、ミュージシャン・バンド名、アルバム名などの索引もしっかり整備され、読み物としてだけでなく辞書としての機能も兼ね揃えている。クラシックやジャズはこうした通史や概説書の類が多数出版されているが、ロックの場合は極めて珍しいので、貴重な一冊といえる。 本文だけで400ページを越え、その情報量の多さに圧倒される。執筆に5年以上も費やしたと「あとがき」に書かれてい…
忘れている、忘れていく、やがて忘れていくことが全て優しさとなって私を覆うだろう。八月が終わりを告げてもう九月。入退院もあって八月も全然ブログを更新しなかった。記録することがなかったからだと思っていたけど読んだものの記録していなかったものが割とあってどうしようかと思っていたけどメモしてあったものから思い出せる範囲で記録しようかなと思っている。思い出せないものは一言にすらならない記録かも。最近は全てが嘘みたいに感じる。前は現実味がなくて夢や幻みたいだったけど最近は嘘だと思う。自分が吐いた嘘、他人が騙す嘘、現実が見せている嘘、現実味がありながら作り物みたいに嘘っぽい全てが。感情も、言葉も。嘘をつくの…
死んだら飛べる/スティーヴン・キング&ベヴ・ヴィンセント (編集)、白石 朗・他 (訳) あなたはその飛行機と呼ばれる、柩のような金属とプラスチックのチューブが安全だと信じているのか? このアンソロジーを読めば考えが変わるかもしれない。 ひとたび機上のひととなってしまえば、あなたはもう何もできない。 積んでいる貨物が恐ろしい音を立てようが、大空でモンスターと遭遇しても、未来人の誘拐部隊がやってこようとも、戦争が始まっても、ゾンビが襲ってこようとも、密室殺人が起ころうとも、あなたは何もできないのだ。 飛行機に乗るご予定がおありの方は強い勇気をお持ちであることを願う。 なぜならこの本を読めば、どれ…
第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作 1994年刊行作品。作者の銀林(ぎんばやし)みのるは1960年生まれ。本作がデビュー作となる。第6回の日本ファンタジーノベル大賞の受賞作として上梓された。ちなみに、同じくこの年の日本ファンタジーノベル大賞を受賞した作品が池上永一の『バガージマヌパナス』であり、候補作であったのが高野史緒の『ムジカ・マキーナ』だった。 鉄塔武蔵野線 作者:銀林 みのる 新潮社 Amazon 新潮文庫版は1997年5月に刊行されている。同年6月に映画版(後述)が上映された。 鉄塔 武蔵野線 (新潮文庫) 作者:銀林 みのる 新潮社 Amazon その後、十年の空白期間を経て、…
7/10 (月)19:00 - 20:30 柴田元幸×平松麻「ソール・ライターの絵画について」 「渋谷ヒカリエ8F 8/COURT」森岡書店 渋谷ヒカリエ店https://peatix.com/event/3609624/view MONKEY vol. 30 特集:渾身の訳業 スイッチパブリッシング Amazon 永遠のソール・ライター 小学館 Amazon MONKEY vol. 29 特集:天才のB面(表紙絵:長場雄) スイッチパブリッシング Amazon MONKEY vol. 28 特集:老いの一ダース(表紙画:横尾忠則) スイッチパブリッシング Amazon MONKEY vol.…
【本格ファンタジー100選】 自分の頭の中で思い付いた「本格ファンタジー」を100作、何等の整理もせずに掲げています。ただ、「本格ファンタジー」に関する議論はあるものの、自分が考える「本格ファンタジー」の事例を羅列する人は少ないようなので、とりあえず、サンプルとしてやってみたいと思います。 1:泉鏡花『天守物語』 2:倉橋由美子「アポロンの首」 3:山尾悠子『ラピスラズリ』 4:井上雅彦「デザート公」 5:恒川光太郎「夜市」 6:小林泰三『アリス殺し』 7:ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』 8:レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』 9:ロード・ダンセイニ『ペガーナの神々』 10:イタロ・…
www.youtube.com SUGIZO / DELIVER... from And The Chaos is Killing MeTruth?SUGIZOエレクトロニック¥1935 投薬史 頻尿も便秘が改善されました!!! しかし首と肩が重い重い!!! しかも右足の小指と薬指の間の皮が裂けて痛い!!! さらにデブなので暑さで汗が凄い!!! オシャレ美容室で散髪したり染めたりして頂きました。 短髪刈上げになったのでモテるかもしれません。 あとは整形と脂肪吸引ですかね..... (甘い物控えて自力で運動しろって話) 毎日毎日文章書く時間が無いと言ってますが、時間がある時にぱっと書く事が思いつ…
A・ブラックウッド他『迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成』(創元推理文庫 5/31刊)読。 http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488585099 『幽霊島』(A・ブラックウッド他) ↓ … https://neunumanumenu.hatenablog.com/entry/2019/09/26/225511 …並びに『恐怖』(アーサー・マッケン傑作選)に続く藤原編集室編纂による平井呈一翻訳怪談シリーズ最新刊。 アーサー・マッケンと共に「英国怪奇の三羽烏」と平井が称揚したM・R・ジェイムズ2篇とブラックウッド6篇 + ラフカディオ・ハーン怪奇文学講義2種の訳出…
ランキング参加中まとめ ランキング参加中YouTube www.youtube.com たくみチョイス 銃とチョコレート (講談社文庫) 作者:乙一 講談社 Amazon 優等生は探偵に向かない 自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫) 作者:ホリー・ジャクソン 東京創元社 Amazon 「おいしさ」の錯覚 最新科学でわかった、美味の真実 (角川書店単行本) 作者:チャールズ・スペンス,長谷川 圭 KADOKAWA Amazon あかりんチョイス booknerd.stores.jp kaze no tanbun 移動図書館の子供たち 作者:我妻 俊樹,円城 塔,大前 粟生,勝山 海百合,木…
ebookjapanがヤフーのサービスに強制移行後、しばらくログインしてなかったらIDが消去され購入した電子書籍を読むことが出来なくなる https://togetter.com/li/2107793 文庫も1000円超、値上げ続く紙の本 配送コスト増、用紙も値上げ https://digital.asahi.com/articles/DA3S15592433.html WBC優勝の号外配布で大混乱 スマホで読める「電子号外」へのシフト進むか https://news.nicovideo.jp/watch/nw12299159 メルカリで「号外」出品横行 日本のWBC優勝で起きた事態に「どうに…
きっとあの人は眠っているんだよposted with ヨメレバ 河出書房新社 2021年05月04日頃 楽天ブックスAmazonKindle 図書館 副題:僕の読書日記 河出文庫
奥歯周辺の歯茎が痛むので久しぶりに歯医者に行った。 「親知らずの嚙み合わせが悪い上に歯を食いしばる力が強いので、周辺の歯茎に炎症が起きている」ということだった。 「治療法は、親知らずを4本とも抜く。これしかない。」という残酷過ぎる宣告を受けた。 「歯を食いしばるな。ストレスを溜めるな。力を抜いていきろ」と言い残して歯科医は次の患者のもとへと去って行った。 同じようなことを小さい頃から色んな人に言われてきた。幼少期から歯ぎしりが酷かった。歯を食いしばりがちな人生なのかもしれない。 大体いつも緊張しているので「力を抜いて生きる」という感覚があまりどういう感覚なのかが分からない。 とりあえずこれから…
1/1(日) ・遠藤周作『月光のドミナ』(新潮文庫 1972.3) ・吉行淳之介『闇の中の祝祭』(集英社文庫 1978.2) ・中村文則『惑いの森』(新潮文庫 2018.1) ・中村文則『迷宮』(新潮文庫 2015.4) を買った。 1/2(月) ・ミラン・クンデラ『冗談』(西永良成訳 岩波文庫 2014.12) ・黄崇凱『冥王星より遠いところ』(明田川聡士訳 書肆侃侃房 2021.10) を買った。 1/3(火) お参りをした。 詩を書いた。 1/4(水) 風が冷たい。 1/5(木) 通所54日目。 1/5(木) ・西崎憲『世界の果ての庭』(新潮社 2002.12) ・田中克彦『ことばと国家…
毎週日曜日は、この一週間に週刊誌などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPをご覧ください。 今週の書評本 表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者 出版社 税込価格 書評掲載回数(2回以上のもの) ◆週刊朝日「週刊図書館」: 2/17 号 6 冊人生上等! 未来なら変えられる 北尾トロ 集英社インターナショナル 1,980おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行 金井真紀 岩波書店 1,980名著入門 日本近代文学50選 平田オリザ 朝日新書 935テキヤの掟 祭りを担った文化、組織、慣習 廣末登 角川新書 1,…