十河総裁の人物像 十河信二(そごうしんじ)国鉄総裁は、外見はワンマンで頑固であったようですが、道理や温情には従う人で、内心、奥さんには頭が上がらなかったものと思います。 十河信二胸像 伊藤五百亀作 実は、十河さんがキク夫人と結婚したのは、まだ東京帝大在学中のことでした。キクさんは若いころは音楽の才能に秀でていたそうです。しかし、それをなげうって十河さんを支える家庭の道を選んだのでした。そのことを十河さんはずっと胸の奥に受けとめていたのでしょうか、奥さんが亡くなった時には、相当堪えていたそうです。 以前にヨーロッパを視察したときには、心臓が弱く同行できない奥さんのために、毎日10枚ずつもの絵葉書…