石黒敬七『柔道世界武者修行記』ベースボール・マガジン社を読了。 講道館初期の柔道家にして軽妙なエッセイを数多く発表してきた著者が紹介する、初期の講道館に関するエピソードのあれこれの詰まった1冊。姿三四郎のモデルとなった西郷四郎に関するエピソードとか、ブラジリアン柔術のルーツとなったコンデ・コマこと前田光世に関するエピソードなどがぎっしりと詰まっていて、なかなか楽しかった。著者が柔道普及のために海外に行った際のエピソードでは、意外にも藤田嗣治が繰り返し登場してくる。ぜんぜん知らなかったのだけれど、藤田嗣治、柔道二段だったのですね。 また、富田常治郎の話も出てきたりするのだけれど、もちろん富田常治…