母は「結婚なんてしたくなかった」「子どもは好きじゃない」と言っていた人だった。多動傾向のある母は、本当は旅行家か船乗りになりたかったそうだ。 しかし1960年代初頭のこと、若い女性が結婚もせずにいることは許されなかった(例外はあるが、かなり厳しい立場だったと思われる)。 一生独身が許されないように、子どもを持たない者も同じように世の中から弾かれていた。 それは離婚に関しても同じである。 離婚は夫婦の問題であるにも関わらず、親兄弟、時には親戚まで口を出す。そしてそれは「離婚を阻止すること」に重点を置いている場合が普通だった。 そうやって既婚率や子どもの数は増えたかもしれないが、女性個人としてはど…