天下を巻き込んだ兄弟げんかのキッカケ 室町時代初期に起こった混乱である観応の擾乱は、足利尊氏と弟の直義の兄弟げんかから端を発している。この日本中を巻き込んだ兄弟げんかの顛末は。 まずは観応の擾乱のキッカケである。室町幕府が成立した初期は尊氏が軍事と臣下の論功行賞を、2才下の弟の直義が政務全般を担当していた。この二人三脚で幕府は順調に行くかと思われていた。しかしここで登場するのが重臣の高師直。室町幕府創設に貢献した師直は幕府ナンバー2の執事として幕府を支えていた。この師直が南朝方の楠木正行の挙兵を鎮圧するのみならず、南朝の吉野に乗り込んで公家の邸宅や寺社に火を放つ。この活躍で師直は力を得て、直義…