■『<現実>とは何か』(西郷甲矢人・田口茂、筑摩書房、2019)を読み始める。 まだ第1章だが、面白いくだりがあったので、引用しておく。 「観測者から独立である」といっても、一切観測されないのであれば、「物」として問題にすることさえできない。「観測者から独立である」とされる「物」も、何らかの仕方で観測され ているはずである。観測はされるのだが、その観測のされ方が、「誰から見ても、どのような仕方で見てもある」という形をとっているのが、「観測者から独立である」ということである。つまり、「独立」と言っても、観測者が無関係になるわけではなく、観測者との関係をどのように変換しても、つねに「それがある」と…