神器にもなる鏡 本巻は、すべて鏡にまつわる不思議なエピソードでした。鏡と言って最初に思いつくのは、「三種の神器」です。天照大神がににぎのみこと(神武天皇の曾祖父)に授けたとされる三種類の宝物の中に、鏡がありますよね。神が授けた鏡ですから、この世界を映す鏡ではなく、異界を映す鏡だった可能性もありますし、何かを映すために存在する物ではなく、高価で貴重な装飾品だった可能性もあります。ですが、響きは「鏡」ですから、やっぱり私たちが持っている鏡と同様の世界を映す鏡を、連想するのが普通の思考でしょう。「神器」は他に、剣と勾玉がありますが、こちらは、普通の家庭にはない物ですから、実物を見たり手にしたりする機…