角川書店が主宰している短歌の新人賞。昭和30年創設。
今日のうた(139) 11月ぶん 銃弾がベールを破って政治家の浅ましき実態さらけ出したり (森秀人「朝日歌壇」10月30日、佐佐木幸綱選、たった31文字の短歌が、安部元首相暗殺事件の本質を十全に表現する) 1 ドロップの缶を開ければ思い出す母の隣にいた男たち (たろりずむ「東京新聞歌壇」10月30日、東直子選、「「男たち」の中には、「母」と恋愛関係にあった人もいれば、そうでない人もいたのか。なんとなくドロップを分け合ったりした淡い思い出」と選者評、微妙な感情を詠む) 2 国葬に国の軽さといふ秋思 (竹林一昭「朝日俳壇」10月30日、長谷川櫂選、安部元首相の国葬については、短歌でたくさん詠まれて…
短歌研究2022年11月号作者:(株)短歌研究社短歌研究社Amazon 短歌 2022年11月号KADOKAWAAmazon 歌壇2022年11月号有限会社本阿弥書店(e託), jp_advantage, EO43QAmazon 角川短歌賞の発表でした。
「一首鑑賞」の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 24. てのひらのカーブに卵当てるとき月の公転軌道を思う (伊波真人) 工藤玲音の記事から続けて「橄欖追放」を読んでいて、『ナイトフライト』という歌集タイトルに心惹かれてクリックしてみました。紹介されている短歌もすごく好みで、ラッキーだったなと思いました。 petalismos.net 知らなかったのですが、この人は吉田隼人の『忘却のための試論』と同時に角川短歌賞を受賞されているそうです。『桜前線開架宣言』でも『短歌タイムカプセル』でも吉田隼人は取り上げられていたのですが、この人については触れられていなかったので、今ま…
朝から晴れて気温が上がった。雲が多めの空だ。 お昼前に永田町にある国会図書館に行きたくて、せっせとお弁当を作った。昨夜の残り物のポークソテーとゆで卵、レタス、ブロッコリー、きゅうりのサラダ。 行く途中、駅中のスーパーでお握りひとつとデザートを買った。 図書館に着いたのは11時少し過ぎ。端末の前に座って、読みたい本と雑誌の閲覧を申し込んだ。ここに来るたびに読むみたい新しい本が加わる。じっくり読みたい本もあるが、どんな歌集だろうとか、どんな内容の本だろうと好奇心で読んでみたい本もある。 すべての本を最初から最後まで読むことはあまりない。歌集はほぼ全部読み終えるが。 今日閲覧した新しい本は、澤村斉美…
山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 佐々木六戈 bokutachi.hatenadiary.jp 「とてつもなき嘘を詠むべし」獺祭の百回忌まで少し間がある 角川短歌賞を2000年に受賞した時の連作のタイトルが「百回忌」、これは正岡子規のことだそうです。最近山田風太郎の『人間臨終図鑑』を読んでたのですが、正岡子規は35歳で亡くなっていて(数えとか満で多少の数え方の違いはあります)、肺結核、脊椎カリエスで1902年(明治35年)に壮絶な亡くなり方をしたそうです。 この「少し間がある」は、2002年までの二年間のことなんですね。この「百年…
☆◆ 今日のつぶやき・覚え書き ☆◆ 今日は(2022年)令和4年 文月(ふみづき、ふづき)7月6日(水曜日)先勝です。・・・ 奈良(北部)の天気予報・ ・ 曇 のち 晴 ・・ 32・24℃・・真暑日・・ (^^)今日も お立ち寄り 下さいまして 感謝します(^^) 今日は何の日。 お話しのネタ があれば幸いです。 (^^) ☆◆ ~今日は何の日~ ☆◆ ☆◆ 7月6日は サラダ記念日 ( 記念日) “「この味がいいね」と君が言ったから 七月六日はサラダ記念日” これは1987年(昭和62年)5月8日に歌人・俵万智(たわら まち)が発表した第一歌集『サラダ記念日』(河出書房新社)の中の一首であ…
※発言は要約・改変の場合あり ※肩書は当時のもの 明治時代(おまけ) 昭和時代 平成時代 令和時代(おまけ) 明治時代(おまけ) 日付 発言 発言者 関係者 補足 1910年12月1日 働けど働けど(はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る) 石川啄木 歌集「一握の砂」 昭和時代 日付 発言 発言者 関係者 補足 1927年7月24日 唯ぼんやりした不安 芥川龍之介 久米正雄 遺書「或旧友へ送る手記」 1932年5月15日 話せばわかる 犬養毅(内閣総理大臣) 山岸宏(海軍中尉) 五・一五事件 1936年5月18日 定吉 二人キリ 阿部定 石田吉蔵 東京市荒川区尾久 待合旅館「…
詩は世界と世界にあるすべてのものを明示すべきなのである。わたしたちにものを与えるためでなく、わたしたちからそれを奪うために。-ジャン=ポール・サルトル「マラルメ(1842−1898)」 1.夢の時代、生活の時代 自らの遅れてきた第一歌集で、あつかましくも「短歌はふたたびの夢の時代に入った。」と宣言してみせたのは平岡直子だったが、じっさいのところ、〈夢〉と向かい合って短歌を書くことのできる書き手は、ごく限られている。 そして現在、その〈夢〉とは逆に、〈生活〉は現代短歌の必須アイテムだといっていい。テン年代の短歌を語るキーワードをいくつか選ぶなら、多くの人がそのひとつとして〈生活〉をあげることにな…
山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 大谷雅彦 bokutachi.hatenadiary.jp 夏の日のさびしき夕べかなかなとひぐらし蝉と聞きわけてゐる この人は1976年に現役高校生で角川短歌賞を受賞したということです。解説では 「現代歌人セレクション 大谷雅彦集」に寄せられたエッセイによると、古典和歌にしか興味がなく、近代以降の短歌をほとんど読まない状態のまま歌を作り上げ、受賞に至ったらしい。(中略)徹底して自然の描写に徹することにこだわっている。その風景の中に人間を入れることを拒んでいるかのようだ。 とあります。てことはこの歌…
山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 水上比呂美 bokutachi.hatenadiary.jp アイラインぬれぬれと引く美少女はサトイモ科アンスリウムの族(うから) この歌どこかで見たような気がするんですが、思い出せません。何かの本歌取り?調べてみたんですがピンときませんでした。 この人の歌は全体的に捉えどころのない感じがするのですが、解説が面白かったです。 初めて水上比呂美の名に注目したのは、2007年の角川短歌賞にて最終候補となった「美男な鰐」である。誌面に全作品が載ったわけではないのだが、ペットショップで出会った美男の鰐と同…
若い人の間で短歌がブームだそうで、あちこちの大学に大学短歌会が生まれている。大阪大学の阪大短歌会(大阪大学短歌会)について私の知っていることを書いておこうと思う。 2015年に「革靴とスニーカー」で角川短歌賞を受賞した鈴木加成太氏は大阪大学短歌会の会員だ。 公式サイトによると大阪大学短歌会は2010年12月に発足したということだが、実は“大阪大学短歌会”は近年できたものではなく、古い歴史がある。現在の大阪大学短歌会は、かつて大阪大学短歌会が存在したことを知らない人たちによって創設されたのである(確認済み)。 とはいえ、私も大阪大学短歌会(以下「短歌会」)がいつ創設されたのかなど、詳しい経緯は知…
三つの短歌賞について 去年(二〇二一年)発表された短歌賞から話題を三つ。 一つ目は、「短歌研究新人賞」。受賞作は、塚田千束「窓も天命」三十首。塚田は「まひる野」「ヘペレの会」所属、旭川市在住の三十四歳の医師(受賞時)。作品の主人公は医療従事者。その視線でコロナ禍の状況をスケッチしつつ、乾いた抒情による〈私性〉の発露が清冽な連作だ。現代口語短歌の様式化されている部分をうまく咀嚼し、自分のものにしている。 先生と呼ばれるたびにさび付いた胸に一枚白衣を羽織る 目を狙う ボールペンでも鍵でもよい夜道を歩きながら反芻 二つ目は、「角川短歌賞」。こちらは四十六年ぶりの該当作なし。選考座談会(角川「短歌」2…
山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 日置俊次 bokutachi.hatenadiary.jp 水中に堕ちたるかほで笛鳴らす石の天使は熾(ひ)の煤まみれ 東大文学部卒でパリ第3大学に留学し、青山学院大学教授らしいです。パリを舞台にしたきらびやかな歌がたくさん紹介されていて、「天使」「ヴァイオリン」「ガラス」「モルフォチョウ」「冥王星」など、単語がいちいちキラッキラしています。 人によって短歌に使われる語彙がえらい違うの面白いなーって思いながらいつも見てます。自分の世界に親和性のある言葉なんだろうな。私の世界には「天使」とか「冥王星」…
山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 古谷智子 bokutachi.hatenadiary.jp 泳ぎゆく君は視界を遠ざかりつひに見知らぬ男の背 この人のプロフィールを見ると、 1944年生まれ。青山学院大学文学部卒業。1975年に中部短歌会に入会し、春日井建、稲葉京子に師事。1984年の第30回角川短歌賞で「神の痛みの神学のオブリガード」で次席となり、1985年に同タイトルの第1歌集を出版した。 とあるので、短歌を始めたのは30代の頃、歌集出版は40代の頃のようです。歌も「少年」が登場するものが多く紹介されています。解説に この歌集…
山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 我妻俊樹 bokutachi.hatenadiary.jp おはようおはよう、さいごのドアをたたくとき 背後のドアは叩かれている この人は怪談作家としても活動していて、歌葉新人賞には2003年の第2回から2006年の最終回まで最終候補に残り続けたそうです。歌葉新人賞といえば笹井宏之や齋藤斉藤の名前を思い浮かべますが、角川短歌賞とはまた毛色が違っていて面白いですね。 この歌は自分の前にあると思っていたものが一周して後ろにあるってことなのか、自分の後ろから常についてきている存在があるってことなのか、ど…