賢治は,大正11年(1922)5月21日に小岩井農場へ赴きそこで詩を創作した。賢治は岩手山南麓のder heilige Punkt(神聖な場所)で「ひばり」の鳴き声を聞いたあと「巨きなまっ白なすあし」の「瓔珞をつけた子」を幻視する。その箇所を以下に引用する。 さうです,農場のこのへんは/まつたく不思議におもはれます/どうしてかわたくしはここらを/der heilige Punktと/呼びたいやうな気がします/この冬だつて耕耘部まで用事で来て/こゝいらの匂のいゝふぶきのなかで/なにとはなしに聖いこころもちがして/凍えさうになりながらいつまでもいつまでも/いつたり来たりしてゐました/さつきもさうで…