岩波文庫185ページ「僧曰、尽十方世界是一顆明珠、用会作麼(ようういそも)。いふべし騎賊馬逐賊(きぞくばちくぞく。賊馬(ぞくば)に騎(のっ)て賊(ぞく)を逐(お)ふ)なり。」 僧が言った「大宇宙は輝く一つの珠です。理解してどうしようというのですか」。この言葉は、盗賊が乗ってきた馬に乗って盗賊を追いかけるような力量のあるものと言える。 言葉、知識偏重の世の中だ。言葉で言い繕うことで物事が解決するかのように思っているのではないかとさえ思える。 問題は目の前の現実だ。目の前の事実に対しどうするかだ。 今は目の前の事実さえ見えなくなっているんじゃなかろうか。 言葉で散々言い立て、陰に陽に圧力をかける。…